近年Plebiscitary Democracyと呼ばれているものについて
Jeffrey GreenのOcular Democracy論を手がかりに
主催
科研プロジェクト「シアトロクラシーとデモクラシーの交差 演劇性と政治性の領域横断研究」
講師
山本圭氏(立命館大学法学部准教授)
司会
平田栄一朗
開催日
2022年12月3日(土)
会場
慶應義塾大学三田キャンパス 南館4階 会議室
科研プロジェクト「シアトロクラシーとデモクラシーの交差 演劇性と政治性の領域横断研究」
講師
山本圭氏(立命館大学法学部准教授)
司会
平田栄一朗
開催日
2022年12月3日(土)
会場
慶應義塾大学三田キャンパス 南館4階 会議室
概要
以下の概要にて講演会を開催いたしました。
現代の民主主義論のメインストリームに、熟議や話し合いを通じた合意形成の理論があることは依然として真実である。昨今それらの研究では、くじ引き民主主義や認識的民主主義といった新しい論点も加わり、より実証的かつ実験的な方向にむけてますます盛んに研究が進められている。
他方で、こうしたメインストリームから外れたところ、いわばボウリング・レーンのガーターのようなところで、いささか不気味な民主主義論がパラレルに走っているように見える。
すなわち、一つは政治家不在のいわゆるAI民主主義論であり、そしてもう一つは強いリーダーを求める指導者民主主義、ないし“plebiscitary democracy”と呼ばれるものである。
本報告では、このうち後者について検討することにしたい。とりわけ、plebiscitary democracyを主張する近年の理論としてJeffrey Greenの議論(The Eyes of the People)を検討し、それが引き起こした論争も含め、指導者民主主義の可能性と問題点について報告する。
Greenは劇場の比喩を用いてplebiscitary democracyを提示していることから、シアトロクラシーにかんする本プロジェクトにも何かしら通ずるところがあると考える。
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